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35年ぶりの大回顧展 テート美術館所蔵 コンスタブル展について【日曜美術館 アートシーン】

イギリスの画家、ジョン・コンスタブルの作品が日本にやってきました!

瑞々しい風景画が観れるチャンスですね。

日本では35年ぶりとなる大回顧展「コンスタブル展」が東京丸の内の三菱一号館美術館にて開催中です。

今回はコンスタブルについて簡単にまとめてみました!

テートとは?

そもそもコンスタブルの作品が所蔵されているテートとはどんな場所なのか!?
ご紹介していきます。

テート は、イギリス政府の持つイギリス美術コレクションや近現代美術コレクションを所蔵・管理する組織で、ロンドンなど各地にある国立の美術館を運営する。2000年の改組以前はテート・ギャラリー と呼ばれたが、それ以後はテート・ギャラリーと呼ばれることはなく、単にテイトという。
引用:Wikipedia


Lynette Yiadom-Boakye,Complications, 2013 Pinault Collection
引用:Tate


Sanja Ivekovic, Make-up – Make-down, 1978
引用:Tate

テートはイギリス政府の文化・メディア・スポーツ省に属する外郭公共団体(Non-departmental public body、非省公共団体とも、非政府部門公共機構とも)に位置づけられている。引用:Wikipedia

テートはアートスペースを運営しており、ロンドンに2つ(Tate Britain, Tate Modern)と地方に2つ(Tate St Ives, Tate Liverpool)それから、オンライン(Tate online)で西洋美術から現代美術まで楽しむことができます。

その中で、閉鎖された発電所を改築し、先駆的な展示を行っているTate Modern(テートモダン)についてまとめてみました。

Tate Modern (テートモダン)

ロンドンのテムズ川畔、サウス・バンク地区に位置し、近現代美術を鑑賞することができるテートモダン。

私自身も海外に行くと日本では考えられないような、壮大なアートスペースにびっくりすることが多いのですが、発電所をリノベーションするという大胆さが面白いですね。


本館は発電所の名残もあり「ボイラーハウス」、新館は「スイッチハウス」と名付けられました。

「スイッチハウス」には無料で入れる展望台もあり、ロンドンの夜景を楽しむことができます。

ジョン・コンスタブルと作品

さて本題に入り、ジョン・コンスタブルについてご紹介していきます。

John Constable, The Opening of Waterloo Bridge (‘Whitehall Stairs, June 18th, 1817’)
引用:
Tate

ジョン・コンスタブルとは?

ジョン・コンスタブル(1776-1837)は、同時代のJ.M.W.ターナーとともに、19世紀イギリスを代表する風景画家です。

彼は裕福な製粉業者の家に生まれました。
家業を手伝っていたこともあり、作家としてのスタートは遅めです。

20歳の時に商売のためにロンドンを訪れ、トーマス・スミスという風景画家に出会ったことがきっかけで画家を志すようになります。

出身地サフォークの穏やかな田園風景や身近な世界を描いたコンスタブル。

当時は宗教画 神話画を含む歴史画が最も優れていると考えられていたため、
静物画 風景画は、絵画ヒエラルキーの中で下位にカテゴライズされていました。

そこで生計を立てるために肖像画を描いていましたが、自分の好きな風景画を描き続け、晩年ロイヤルアカデミーで成功を収めます。

ロイヤルアカデミーの正会員になれたのは、コンスタブルが53歳の時でした。

コンスタブルは1歳年上の画家、ロンドン出身のJ.M.W.ターナー(1775-1851)と比較されることが多いのですが、ターナーはヨーロッパ各地を旅行をしながら作品にも反映させていました。

まだ見たことのない、描いたことのない「風景」を探し求めていたようですね!

コンスタブルは生涯イギリスを出たことがなかったそうです。

比較すると、彼らは同じ風景画家ですが、正反対の二人であることがわかります。

コンスタブル展ではターナーをはじめ、同世代の作家の作品も展示されています!

コンスタブルが描いた雲

※動画の最初の方にコンスタブルの作品がでてきます。

コンスタブルは「」の研究をしてたくさんの作品を残しています。

その日の風、気候、日時など記録していたそうです。

私自身も夏にヨーロッパを訪れた際、白夜の不思議な世界観に圧倒され、時間を忘れて雲を眺めていたことがあります。

彼が描いた雲は様々な種類があるので、見比べてみると楽しいですね!

コンスタブル展のスケジュール

会期        2021年2月20日-5月30日 
会場        三菱一号館美術館
住所        〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-6-2 Google map
開館時間   10:00~18:00

※祝日・振替休日除く金曜、第2水曜、展覧会会期中の最終週平日は21:00まで
※入館は閉館時間の30分前まで
※臨時の時間変更の場合あり
休館日      毎週月曜(祝日・振替休日・展覧会会期中最終週の場合は開館)
観覧料      一般 1,900円 / 高校・大学生 1,000円 / 小・中学生 無料
URL        https://mimt.jp/constable/

まとめ

ポイント

・コンスタブルはターナーと共にイギリスを代表する風景画家
・当時は低い地位だった、風景画をジャンルとして確立させた
・ターナーなど同世代の作家の作品も観れるコンスタブル展が開催中!

昨年からコロナウイルスの影響で世の中の流れが変化していく中で、いままでは気にも留めなかった、日常の些細な変化に気づくことが多かったように感じます。

コンスタブルが観ていた日常の世界のように、私たちがいつも通る道や、空を見上げた時の雲の形など、些細な変化に気づいた時、より俯瞰して物事をみれるようになったり、自己の内面に変化がおきるかもしれませんね。

コンスタブル展は5月末まで開催しているので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。