2020年12月4日、日本選手権女子1万メートルにおいて、30分20秒44の日本新記録で優勝し、東京オリンピックの代表に内定した新谷仁美 (にいやひとみ)選手。
一度は現役を引退した新谷仁美さんですが、復帰後にメキメキと実力を伸ばしたのはコーチの横田真人さんのおかげだと言われています。
今回は、そんな新谷仁美選手のコーチである横田真人さんについて徹底的に調査してみたいと思います。
横田真人さんのプロフィール
新谷仁美という猛獣を扱えるのはおそらく横田真人コーチしかいないと思います(笑) pic.twitter.com/uMHzowsQIW
— 新谷 仁美 (@iam_hitominiiya) February 8, 2020
生年月日 | 1987年11月19日(33歳) |
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出身地 | 東京都 |
種目 | 中距離(800メートル) |
身長 | 177cm |
体重 | 62kg |
最終学歴 | 慶応義塾大学 |
実業団時代 | 富士通(2017年退社) |
800メートルは、陸上競技においては「陸上の格闘技」という異名もあり、短距離としての瞬発力と、中長距離としての持久力も求められる種目。
陸上競技の中でも、短距離(100メートル&200メートル)や長距離(フルマラソン)ほどの人気が無く(中距離選手の方々ごめんなさい)、世界レベル的にも日本人選手がなかなか勝負出来ない種目ではあります。
そんな800メートル競技において、長きにわたり活躍してきた横田真人さん。日本選手権を4連覇(計6回の優勝)した他、日本人選手としては44年ぶりのロンドンオリンピックに出場もされています。
元日本記録保持者
【#アジア選手権🇶🇦】
女子1500m 卜部蘭✖︎800m元日本記録保持者 横田真人コーチ😆🎌
女子1500m決勝 4/24 18:06
※日本時間 4/25 0:06https://t.co/vSTrcPQwJA#サンライズレッド #日本代表🇯🇵 pic.twitter.com/9eOl2lDBvF— 日本陸上競技連盟 (@jaaf_official) April 20, 2019
横田真人さんの輝かしい戦績は以下の通りです。これ以外にも数多くの大会に参加して、優勝されています。
主な戦績
- 2005年 第60回国民体育大会 800m 優勝(大会新記録)
- 2006年~2007年 日本陸上競技選手権大会 800m 優勝(2連覇)
- 2008年 第87回関東学生陸上競技対校選手権大会 800m 優勝
- 2009年 第25回ユニバーシアード競技大会 800m 優勝
- 2009年~2012年 第94回日本陸上競技選手権大会 800m 優勝(4連覇)
自己ベスト
主な種目の自己ベストはこちら。
- 200m 22秒64(2007年)
- 400m 47秒67(2011年)
- 800m 1分46秒16(2009年)
- 1500m 3分45秒63(2012年)
- 5000m 15分37秒75(2011年)
- 10000m 33分28秒(2005年)
現在の活動は?
#陸上#800m 元日本記録保持者でTWOLAPS TC代表 #横田真人 さんのストーリーです。横田さんには「いくら中距離が活躍しても注目されることはない」という思いがあるからこそ、中距離の存在価値をきちんと定義づけたいと考えています。指導者になった今の思いを聞きました。https://t.co/5A2cUBOueB
— 4years. (@4years_media) August 22, 2020
ランニングクラブ代表
横田真人さんは、現在『TWOLAPS TRACK CLUB』というランニングクラブの代表兼コーチを務める他、2つの会社の経営を行っています。
このTWOLAPS TRACK CLUBには、新谷仁美選手をはじめ、箱根駅伝でも活躍した中長距離界期待の星である館澤亨次選手や、日本初の男子中距離プロチーム「阿見AC」の楠康成選手、田母神一喜選手なども所属しています。
コーチになるまで
横田さんは、現役引退後は陸上界に残るつもりはなかったそうで、なんとメジャーリーグのエージェントになりたいと考えていたそうです!
そのために、現役時代にはなんと米国公認会計士の試験に合格しています。(当たり前ですが試験は全て英語です!)
そして、スポーツマネージメントを学ぶため、米国大学院に行こうとしていた矢先に、「NIKEでチームを作ろうとしているだけど、コーチをやってくれないか」と誘われたのが最初のキッカケだったそうです。
新谷仁美選手との関係
身体の故障が原因で、25歳の時に現役を引退した新谷仁美選手。一度は就職してOLとしてエクセルやパワーポイントなどのオフィスワークを行うも、「もう一度走りたい」という思いから2018年に現役復帰。
その後2020年にはハーフマラソンで日本記録を更新するなど、メキメキと実力を伸ばしてきた新谷仁美選手について、横田さんのコーチング能力が非常に高く評価されています。
横田コーチへの質問の多くが「新谷さんをどうやってコントロールしてるんですか?」らしい。
私のこと猛獣前提でご質問するのはやめてください。わし人間!(笑)#調教師と猛獣の日常— 新谷 仁美 (@iam_hitominiiya) March 4, 2021
現役復帰した新谷選手ですが、OL時代の5年間は一切のランニングを行っていなかったそうです!!
週末のハナキンにはビッグマックセットを3セットも買い、ひとつは帰りながら食べ、残りは家でテレビを見ながら食べるという生活をしていたとか…(笑)
なんと現役時代から比べると13~15kgくらい太ってしまったそうです。
ちなみに、 横田さんと新谷選手は、種目は違えども共にロンドンオリンピックに日本代表として出場されています。
久々に選手とコーチとして再開した際には、新谷選手のあまりの変わり様に愕然としたらしいですね(笑)
しかし、一旦やると決めた後の頑張り方に関しては、これまで多くの選手を見てきた横田さんからしても圧倒的であったとコメントをされています。
日本人はコミニュケーション能力が乏しいと言われている。相手に伝えることは簡単そうだけどとても難しい。その時に押し付けるような言動だと相手は背を向けるだろう。常にとは言わないが相手の立場になって(客観視)物事を進めれるようになれば違った形だけど良い関係性や話合いができるかと。↓
— 新谷 仁美 (@iam_hitominiiya) March 9, 2021
そんな絶大な信頼を得ている横田コーチですが、彼のコーチング能力の高さが垣間見えるインタビューを見つけました。
私「実際にどういう点を意識して、コントロールされているのですか」
横田コーチ「逆説的なんですけど、コントロールしないようにする。そもそもできないので(笑い)。しない。でも、導くことはしないといけないじゃないですか。だから、(コントロール)していないように見せることじゃないですか。どうしても導きたいところと、そんなに重要じゃないところがあるじゃないですか。どうでもいい部分は彼女に委ねる。例えば、細かい話だと、練習を何時にスタートするかとか。僕らとすれば、彼女に合わせればいいだけなので、どうでもいい話。ちょっとした彼女の要望に応えるようにする。目先のことがコントロールされているか、いないかって大きいじゃないですか。本質的な、大きな部分を、よいと思う方向に導くために、細かい部分、本質的ではないところはできるだけ譲歩して、一切コントロールしないようにしてます」
引用:日刊スポーツ
勿論、新谷選手の並外れた努力によるところが大きいのだとは思いますが、横田コーチののさりげない行動に、コーチとしての手腕や思いやりが垣間見れる内容だと思いました。
まとめ
- 元日本記録保持者であり、ロンドンオリンピック出場。
- 現在はランニングクラブ「TWOLAPS TRACK CLUB」の代表兼コーチ。
- 二つの会社の経営を行っている。
- 新谷仁美選手のコーチを行い、メキメキと実力を伸ばしてきた。
いかがでしたでしょうか?
元々自分自身がトップアスリートであった事とはいえ、それだけで優秀なコーチとなる事は難しいと思われます。
慶応義塾大学出身で、米国公認会計士にも合格してしまう横田さん。コーチングについても相当学ばれて現在があるのだと思います。
横田さんの今後の活躍を期待すると共に、横田さんのもとから今後も数多くのトップアスリートが生まれる事を期待したいですね。